RALLIART

2002年2月1日
株式会社ラリーアート


2002パリ〜ダカールラリー
三菱チーム
ドミニク・セリエス監督インタビュー


三菱自動車本社ショールームで三菱パジェロと再会した
T・ビアルド(左)、D・セリエス監督(中)、増岡 浩の3人

 

 2002パリ〜ダカールラリーに“完勝”した三菱チームのドミニク・セリエス監督、ティエリー・ビアルド・チームアドバイザー(ともにフランス)が来日。31日(木)、東京・三田の三菱自動車本社、ラリーアートで早くも来シーズンに向けての“必勝”体制作りを話し合った。夜には愛知県・岡崎市の三菱自動車乗用車技術センターへ移動、03年型パリダカ・マシンの基本設計などについて具体的な打ち合わせを行った。三菱のパリダカ、クロスカントリー制覇は休みない努力が続けられている。

 ドミニク・セリエス新監督はすっかり監督業が板についていた。昨年の9月にウルリッヒ・ブレーマー前監督が死去し、マネージャーから急遽、監督に就任した。ラリーに限らず、あらゆるスポーツの監督にとって、初年度には問題が多いのが通例だが、セリエス監督は初陣の02年パリダカで、完璧な勝利を得た。


主催者のH・オリオールと会話をする、
D・セリエス監督(右)

 「チームの皆が友人だった。お互いの気持ちはすぐに分かりあえた。監督として決断や決定をするときと、友人として話し合うことは、はっきりと区別をつけた。大きな問題はなかった」
 2000年パリ〜ダカール〜カイロラリーで篠塚建次郎のコ・ドライバーをつとめ、リビア砂漠でクラッシュ。背骨を傷めコ・ドライバーとして乗車することは不可能になった。ブレーマー前監督の後を受けて、急遽、監督に就任した。
 「ブレーマーさんほど立派に、私が監督を務めることが出来うるかどうかは分からなかったが、精一杯やろうと思った。チームアドバイザーのティエリー・ビアルドも、メカニックも私に最大の協力をしてくれた。パリダカの勝利は、皆の力で得られたものだ」とセリエス監督は言った。

Q:昨年まで仲間であり、ライバルでもあった人たちをコントロールするのはどんな感じでしたか?
「そう難しいことではありません。スタッフの90%はよく知っている人だし、長い間の友人です。ただ、競争相手でもあったのですが、それぞれの能力や得意なことは分かっていました。そういうことを基盤に、チームを運営しました」

Q:友人だと決定を伝える、断固とした命令を出すことは難しくないですか?
「友人であっても、ビジネスと混同はしません。友人であることと、ビジネスとしての監督は別です。友情を引きずって判断を誤るようなことはしません。友人である人が、反対の意見だったときは、三菱チームのため、勝つために必要なんだ、と説得しました」

Q:チームオーダーはどうしました?
「増岡はティシットのループを終わった段階で大きくリードしていました。余程のことがない限り、誰も増岡を抜くことは出来ません。増岡には安全な走行を、ほかのドライバーには自由なコンペティションをするように言いました」

Q:シュレッサー・チームが潰れ、日産が戦闘力を失った後半は、三菱のパリダカでした。

「そうです。いろいろなチームが、それぞれの狙いで出走してきます。結果は三菱だけの戦いになりましたが、ティシットの後に、増岡車がミスコースしたり、いろいろありました。マスコミの人たちを含めて、三菱車同士の戦いも興味あるものだったと思います」

Q:パリダカはここ2年、アフリカの西海岸に偏ってしまった。興味が薄れませんか?
セリエス監督に代わって、ティエリー・ビアルド・チームアドバイザーが答えた。

「TSOの情報だと、03年パリダカはチュニジアをスタートして、リビア、ニジェール、マリ、モーリタニア、ダカールになるという話があります。大きなスケールのパリダカです」

Q:ニジェールは政治的な、マリは強盗団の出没など、問題があるでしょう。
「そういうことなら今年もモーリタニアには強盗が出る、と言われていました。それぞれの国がパリダカの通過を保証してくれるのを信じることでしょうね」

Q:03年の新型マシンはどういうものですか?
「それはまだ分かりません。話し合って決めるものです。予算もあるし、状況にもよります。いずれにしても、間もなく新しいプロジェクトを具体化していかなければなりません」

Q:セリエスさん、ライバルも強くなりそうですね。
「シュレッサーは来年、ガソリン・エンジンに戻して来るでしょう。日産ピックアップもポテンシャルのある車です。ホイールベースが長く、ミッドシップエンジンで、軽量なところも有利です。我々はそれに負けないように今、準備を始めています」

 02年パリダカを制したパジェロは、3月のイタリアン・バハに篠塚建次郎、ユタ・クラインシュミットが出場する予定。増岡を中心に、新型の“パリダカ・パジェロ”の開発が進められる。
「日本とフランスがキッチリと連携をとって、次のパリダカに向かいます」
 セリエス監督はすっかり貫禄も自信もついたようだった。ブレーマー前監督は「次の監督はドミニクに任せたい」と語って逝った。その期待にも見事に応えている。今後のお手並み、さらなる手腕に期待が膨らむ。

 

 

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