2007年のスーパー耐久シリーズ(通称:S耐)は、昨年同様全7戦で開催。ランサーが区分されるST-2クラスは、排気量2001〜3500ccの四輪駆動のクラスで、ライバルはインプレッサ。これまで十勝(24時間)、富士(4時間)を除いて320〜500kmとまちまちだったレース距離が500kmとなり、長距離レースでの車両の信頼性がより求められるようになった。また、今年は最低車重が一律1,260kgに統一されインプレッサにはウェイトが搭載されたこともあり、ランサー勢には有利なシーズンとなった。さらに、予選方式が従来の「2回のセッションでのひとりのドライバーのベストタイム」から「A、Bドライバーのベストタイムの合算」となったため、速いふたりのドライバーをそろえるチームが有利となった。
開幕戦は、予選は好天だったものの決勝はウェットレースとなり、木下隆之/中谷明彦組三菱ランサー(昨年までのA/Bドライバー登録が変更)は予選クラス2位/総合7位から4WD機構をフルに生かして序盤から総合トップに立った。霧による視界不良のために4回もセーフティカー(SC)が導入されるなか、レース開始3時間半ほどの赤旗でレースは終了。この時点で総合トップの細野智行/朝倉貴志/朝倉宏志組(CMSC栃木)三菱ランサーが優勝かと思われたが、SC中の追い越し違反のペナルティにより4位へドロップ。代わって木下組ランサーが総合優勝(クラス優勝)を遂げた。S耐では総合優勝の表彰はないものの、排気量が3501cc以上のST-1クラス車両を抑えてST-2クラス車両が総合優勝を飾ったのはこれが初めてという快挙だった。また2位に西村元気/菊地靖組三菱ランサーワゴン、3位に和田久/中村啓/HINOKI組三菱ランサーが入り、ランサーが表彰台を独占する結果となった。
第2戦はクラスポールの木下組ランサーがいったんはポジションを落としたものの、後半に逆転して連勝。2位にトップを走りながらガス欠症状で遅れた阪口良平(CMSC山形)/砂子塾長/小川日出生(CMSC山形)組三菱ランサー、3位に冨桝朋広/関豊組三菱ランサーが入り2戦連続でランサー勢が表彰台を独占する結果となった。
第3戦の十勝24時間はインプレッサが欠場となり、ST-2クラスはランサー同士のバトルに。しかし連勝中の木下組ランサーが横綱相撲を発揮。序盤からクラストップに立つと、ノントラブルで24時間を走破して3連勝を飾った。2位は和田久組ランサー、3位にジャーナリストをそろえてスポット参戦した三好正己組三菱ランサーワゴンがゴール。3戦連続でランサー勢が表彰台を独占した。
第4戦は木下組ランサーがクラスポールを獲得するもアクシデントによるSC導入時に、タイミングよくピットインしたインプレッサに1周近い差をつけられたが、中盤から後半にかけて1周あたり1〜2秒速いラップスピードでじわじわと追い詰めて逆転。さらに終盤は燃費走行を行い2回のピット作業だけで走りきって4連勝して早くもチャンピオンに王手をかけた。また3位には西村組ランサーワゴンが入った。
第5戦では木下組ランサーが序盤にクラストップを奪うと、ピット作業時にタイヤ交換を2本にして時間を短縮してそのまま開幕5連勝。早くも2年連続でのシリーズチャンピオンを獲得した。また2位には冨桝朋広組ランサーがゴールしてランサーが1-2フィニッシュを遂げた。
第6戦ではインプレッサが速さを見せてランサー勢は中盤まで苦戦したが、インプレッサにトラブルが発生して木下組ランサーが難なくトップを奪いそのままゴール。2位に西村組ランサーワゴン、3位に和田久組ランサーと表彰台を独占するだけでなく、5位までをランサーが占めた。
最終戦となる第7戦では、雨の中3回もSC導入となりレースも規定で4時間で打ち切りとなったが、タイヤ(コンパウンド)選択を失敗して4位まで後退していた木下組ランサーが、2回目のSC時が解除されるタイミングでトップに浮上。そのまま逃げ切って7戦全戦で優勝。これはST-2クラスで初となる快挙だった。
なおシリーズポイントでは、シリーズ全戦制覇の木下組が2年連続チャンピオンを獲得し、和田組ランサーが3位にランクされる結果となった。