RALLIART

RAI - 818/2001年9月17日
株式会社ラリーアート

“北海道ラリー”成功裏に!!
三菱ランサーエボリューションVII/石田正史 総合優勝
田口勝彦は無念の6位


優勝した石田正史/さゆり組の
三菱ランサーエボリューションVII

田口勝彦/デレック・リンガー組の
三菱ランサーエボリューション・グループA仕様


1 開催日 9月14日(金)〜16日※14日はセレモニースタート
2 開催場所 スタート:北海道帯広市帯広競馬場
ゴール:十勝インターナショナルスピードウェイ
全行程:815.50km(SS総距離:143.40km)
3 出走台数 27台(三菱車 15台)
グループA車両 2台(三菱ランサーエボリューション・グループA仕様 1台)
グループN車両 14台(三菱ランサーエボリューション 10台)
JAF規定車両 11台(三菱ランサーエボリューション 3台、三菱ミラージュ 1台)

■ 参戦体制
チーム名 チーム三菱ラリーアート
チーム監督 アンドリュー・コーワン
ドライバー 田口勝彦
コ・ドライバー デレック・リンガー(英国)
エンジニア/ メカニック ラリーアート・ヨーロッパ 7名
日本 5名
競技車両 三菱ランサーエボリューション・ グループA仕様
メインスポンサー 株式会社スパイク
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<結果>
         
順 位 ドライバー 車名 *タイム カテゴリー
1. 石田正史/石田さゆり 三菱ランサーエボリューション 1時間56分45秒0 N
2. 増村淳/福村行則 三菱ランサーエボリューション 3分32秒5 N
3. 田口盛一郎/坂下勝 三菱ランサーエボリューション 5分54秒3 N
4. 星野満/後藤茂行 三菱ランサーエボリューション 6分52秒4 N
5. 箕作有俊/長谷川倫子 三菱ランサーエボリューション 9分50秒8 J
6. 田口勝彦/デレック・リンガー 三菱ランサーエボリューション 10分16秒5 A
7. 田中伸幸/森公聖 三菱ミラージュ 11分03秒2 J
8. 寺尾公秀/諏訪明広 三菱ランサーエボリューション 13分00秒4 N
9. 斉藤断/工藤慎一 三菱ランサーエボリューション 17分06秒1 J
10. 中島正裕/黒崎直樹 三菱ランサーエボリューション 18分46秒0 N
11. 入夏高志/飯田淳一 三菱ランサーエボリューション 19分26秒9 N
12. 須沢光夫/丸山和彦 トヨタ・カローラ 21分14秒0 J
13. 野村幸伸/三木孝市 ダイハツ・ストーリア 37分03秒6 J
14. 佐野禎彦/溝井誠 ローバー・ミニ 50分36秒7 N
15. 中野貴子/赤羽隆子 スバル・ヴィヴィオ 1時間00分38秒2 J
16. 村野まさよし/坂本修身 トヨタ・ヴィッツ 1時間04分27秒6 J
*タイム=2位以下はトップとの差
[A=グループA車両、N=グループN車両、J=JAF規定車両]

 

■第1レグ・9月15日(土)
総走行距離491.82km/SS距離46.68km


 インターナショナル ラリー イン 北海道2001“北海道ラリー”は、15日(土)帯広市の帯広競馬場をスタート。第1レグの491.82キロ(内SS6ケ所46.68キロ)を行った。スパイクをメインスポンサーとする「チーム三菱ラリーアート」から出場の田口勝彦(三菱ランサーエボリューション・グループA仕様)は、SS1からトップに立ち、SS(競技区間)合計31分44秒8で2位 の石田正史(三菱ランサーエボリューションVII)を36秒引き離して第1レグを終わった。3位 には柳澤宏至(スバル・インプレッサ)が入った。

 どんよりとした曇り空。いつもは澄みきった河川が台風の影響を残し濁流となっていた。帯広の北約90キロ。陸別 の町がSSの中心だった。ダートの陸別サーキットにサービスパークが作られ、各チームのサポートが色とりどりのテントを張る。帯広から北上。いったんサービスでチェックを受けた車は足寄の西に連なる小坂山のSSに向かった。
 緩やかなうねりがそのまま膨らんだような柔らかな山容だが、その懐を縫う林道は、砂利が多く、滑りやすい路面 だった。「思っていたより滑りやすかったです。ゴールの300メートルほど手前でスピンし、20秒ほどタイムをロスしました」と田口は言った。
 SS1を終わった段階で田口、石田、勝田範彦(スバル・インプレッサ)の順。全日本ラリー選手権でも活躍する勝田は、SS2の陸別 サーキット(1.59キロ)でリタイヤした。滑りやすい土の路面。時々行われるバギー・レースで路面 は部分的に深い溝がえぐられている。約3分の2を走ったところで勝田は、ギャップに大きく飛ばされ、左前輪から落ちた。ちょうど溝に当たり、左前輪に全重量 がかかる形となった。サスペンションが根元から折れ、タイヤがもぎ取られてしまった。「残念です。折角、調子が出始めてきたところでした。ギャップの気づかなかったのが失敗です」と勝田。
 サーキットにはサービスパークが設けられている。赤いテント。三菱ラリーアートのプロ集団が田口を待ち受けていた。「良く走っているようだね。特に問題があるとは思えないが、サービスはキチンとやりますよ」とアンドリュー・コーワン監督は、ゆったりと構える。田口車が入ってくると世界ラリー選手権(WRC)を戦っているメカニックたちは 実に手際がいい。急ぐと人は走り回ったり、無駄な動きをするものだが、彼らは制限時間の20分を一杯に使いながら、キチンと作業を終える。もちろん、車が入って来る前には、作業着に着替え、自分の必要とする工具を並べ、即座に受け持ちの部署のチェックに入るのだ。
 三菱サービスの側は、いっぱいのファン。メカニック達もこれには張り切らざるを得ない。サーキット最初のSS(2)では、田口のタイヤが2本パンクしたのを走行する様子から察知。素早くチェンジの準備を整える当たりは、プロの動きそのものでもあった。
 「小坂山のSSは2度(1、3)走りましたが、2度目はいくらか走りよかったです。でもWRCとは速度が違うのでしょう。路面 の石がはじき飛ばされるのではなく、溝になってしまう。滑り易さは1回目とあまり変わりませんでした。今日の走りはまずまずでしょう。いくら速く走っても飛び出しては駄 目ですから…」と田口は落ち着いて初日を終わった。
 コーワン監督は田口のことよりむしろ環境に興味があるようで開催地を盛んにほめた。「自然が素晴らしい。スコットランドやオーストラリアのようだ。日本にもこういう自然が一杯残っていることを改めて知ったよ。いずれWRCが開催できるようになるといいと思うね」

■第2レグ・9月16日(日)
総走行距離323.68km/SS距離96.72km


 16日(日)帯広市南東の山岳地帯で最終レグの323・68キロ(内SS=競技区間、6ヶ所、 96.72キロ)を行い、石田正史(三菱ランサーエボリューションVII)が2日間のSSのトータル、1時間56分45秒0で優勝、2位 は増村淳、3位田口盛一郎でともに三菱ランサーだった。注目の“チャンピオンカー”三菱ランサーエボリューション・グループA仕様に乗る田口勝彦は、SS9でスピン。右リアにダメージを受けて大きく遅れ、6位 に終わった。(出走27台中16台が完走)

 どんよりと曇った空。時々雨が降った。十勝サーキットのサービスパークの東に連なる山々が第2レグ(最終)の舞台だった。前日をトップで走り抜けた田口に異変が起こったのは、この日3本目のSS9だった。
 「速度の上がらないSSが多いので、速く走れるところは思い切って行きました」と田口は言ったが、その思い切りがあだとなった。小花林道は入り口から約3キロほど路面 は割といい。両側と中央に草が生えているが、比較的凹凸が少なく、路面も平らだ。田口は思いきってアクセルを開けた。緩い左コーナーでリアが滑った。タイヤは湿った草の上に乗る。「修正しようとしたのですが、道幅が狭く、リアがはみ出し、そこにあった大きな石に当たってパンクです。サスペンションも傷めました」タイヤ交換でタイムをロス。そこから傷んだサスペンションでの走行だ。続くSSは台風で穿たれた溝やこぶし大の石の転がっている悪路。マキネンが今年のサファリで東アフリカの悪路を制した三菱ランサーエボリューション・グループA仕様も、リアのショックが傷み、大きく跳ね上がった後の抑えが利かない。ギャップでフロントを何度も路面 に打ち付け、フロントメンバー、ラジエターまでもダメージを受けた。
 遅れてサービス地点の十勝サーキットへ帰ってきた田口に、待ち受けていたアンドリュー・コーワン監督がごく自然に話しかける。「ゆっくり走れ、と言ったけど、ゆっくり走るのは難しいだろう。これも経験だよ。世界の走りをするのにリスクは付き物だ。失敗を繰り返しても、自分の速さに自信を持つことだ」。
 コーワン監督と田口が話すすぐ横の赤いワークステントの下では、世界ラリー選手権(WRC)を戦うサービスの“プロ集団”が泥まみれの田口車の整備に奮闘していた。制限時間は20分。タイヤを外し、ジャッキアップ。リア・サスペンションにからみついた硬く丈夫なワイヤーを切り取り、サスペンションを分解する。フロントを担当する組はアンダーガードを外し、ラジエターを交換。足回りも換えて行く。WRCで見せるサービスそのもの。見ている方が時計を見ながら心配になるくらいだが、彼らは難作業をギリギリいっぱいの時間内で終わり、田口をラリーへと復帰させた。
 「このラリーがアジア・パシフィックラリー選手権、WRCへとつながるよう、出来る限り協力してきました。田口の成績はともかく、WRCを戦うチームの一端を見ていただけたかと思います」とラリーアートの北根幸道社長。
 FIA、アジア・パシフィック地区のラリー委員の面々も世界展開を視界にこのラリーを視察。評価は上々で好意的な受け取り方だった。北海道・十勝平野とそれを取り囲む山々で2日間に渡って行われたラリーは、世界に向かっての第一歩を踏み出したようだ。

■ 好印象を持った。(シェッカ・メッタ=英国、FIAラリー委員会・委員長)

 北海道でのラリーはとてもいい印象を持っています。ラリーを走らす上での背景は素晴らしい。ドイツは来年からWRCを開催しますが、日本の経済的な背景は、テレビ放映などを考慮に入れるとより重要度を増します。日本には自動車メーカーも多く、WRCにもチームを送り出しています。初めてみた日本のラリーですが、運営上は取り上げる問題はないと思います。具体的な話になると、SSは良くできています。特にSS1、SS3(小坂山)はドライバーにとっても楽しいステージでしょう。観客整理は完璧だし、野生動物にしても、鳥1羽、動物1匹も犠牲にはしていない。自然保護という面 はFIAも注目しているところだが、全く問題はないと思います。
運営では計時も見事でした。ただ、27台と出走台数が少ないので、これが60台になったとき、今度のようにうまく行くかどうかは未知数です。あえて問題点を指摘すると、第1レグのサービスパークでしょう。大雨が降ったらぬ かるんで作業は出来ないでしょう。第2レグのようにキチンと舗装された場所が必要です。それにプレスセンターがどうでしょう。大きな大会になると200人以上のプレスが集中します。それに対するサービスがどうなるか、今回は見ることが出来ませんでした。今回の数倍、大きなスペースを用意すべきでしょう。アジア・パシフィック、さらにはWRC開催へと関係者が努力することを願っています。


≪スパイクのホームページはこちらをご覧下さい。≫
http://www.spike-rally.com/

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